アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.20

「ビールは薬だ」

ビール

「本物の ビール買ったら 妻激怒」というサラリ―マン川柳がある。年金生活者の私も本物のビールは特別な日以外は飲んでいない。10月1日から酒税の改正で第三のビールの値段が上がった。350ml1本あたり10円の値上げは、たくさん飲む人にとっては家計に影響大で、9月末に箱買いで大量に買っている人もいたが、350ml1本でいい気持になる私は6本入りケースを2ケースだけ買ってささやかな抵抗をした。酒税は2020年から段階的に改正され、本物のビールは逆に税率が下がり、2026年には本物のビールも発泡酒も第三のビールも同じ価格になるらしい。

私にとって、ビールは健康のために飲む薬だ。若い頃10年周期で尿管結石に悩まされる持病があった。経験者でないと分からないが、痛みが始まると七転八倒して転げまわる痛さだ。40歳の時に医者に「あなたはビールを飲みなさい」と指導された。のん兵衛ではない私がその日から毎晩ビール大瓶1本を飲むことにした。それ以来ピタリと尿管結石が収まって今に至っている。

当時、晩酌の習慣がなかった私は、急にビールを飲みなさいと言われてもどれを飲んで良いかわからず、地元の酒屋の親父に「医者にビールを飲みなさいと言われたが、何がいいですか?」と聞いたら、「アサヒのスーパードライが美味いですよ」と即座に言われて、すぐに大瓶をケースで注文した。当時アサヒスーパードライが発売されたばかりで爆発的に売り上げを伸ばして、アサヒビールがキリンビールを抜いて日本一に躍進していた時だった。

今はビールのメーカーも種類も様々、いろいろな銘柄を飲み比べては楽しんで、風呂上がりに350ml1本飲んでいい気持になって眠りにつく健康な毎日を過ごしている。(2020.10.4)

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