アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.19

「敬老会はいらない」

人口ピラミッド

今年の敬老会式典は、止むを得ないことだがコロナ過でほとんどの地域で中止になった。超高齢化社会になった現在、慣習的に行われる敬老会の意味を見直すべきではないかと思う。前例主義の最たるもので菅新政権の目玉である行政改革に値する行事だ。

そもそも敬老会は1947年(昭和22年)、兵庫県多可郡野間谷村で行われたのが始まりだという。大雑把に言って1950年の日本の65歳以上の人口は4百万人(高齢化率約4.9%)で、当時は敬老会の意味は確かにあった。しかし、2020年の65歳以上の人口は3千6百万人(高齢化率28.7%)、2030年には3人に1人が高齢者と言う超超高齢化社会となり、人口ピラミッドは若者より高齢者の方が多い逆三角形になって、過去の状況とは様変わりする。少なくとも、まだまだ元気な70歳代は敬老の祝いは遠慮申し上げたい。

自治会の役員をしていた時に敬老会の準備や当日の運営に汗して携わった時の印象は、「準備する役員もみんな高齢者ばかり、招待する方もされる方も高齢者同士の敬老会とは、いったい何だろう」、と感じていた。自治体も、増え続ける高齢者に予算が足りず、毎年対象者の年齢を繰り上げて対応しているありさま。私の町の敬老対象者も人口4500人に対して700人ほどいるが、お弁当だけいただいて敬老会に出席する人は1割未満だ。確か一昨年も台風で中止になったが、今年もコロナ過で中止となり、お弁当の代わりに杏林堂の商品券が配られたが、かみさんはお弁当より喜んで早速使ってしまった。

提案だが、ますます進む少子化の時代、これからの日本を担う貴重な人的財産である新生児に「誕生祝い」をあげたらどうかと思う。その方が明るい話題で素直に喜ばしい。(2020.9.27)

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