アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.16

「朝の来ない夜はない」

セミの死骸

「朝の来ない夜はない」「今の状況が永久に続くわけではない」は、何事もプラス思考の私の信念だ。そして、秋の来ない夏はないはずの8月は早くも終わりに、処暑はとっくに過ぎたというのに相変わらずの猛暑が続いている。クマゼミやアブラゼミの鳴き声も少なくなって、今はツクツクボウシが鳴いている。庭にセミの亡骸を見るようになって確かに季節は秋に近づいている。

コロナだって何時かは収まる日が来るはずだが、ワクチンが未完成な今、まだまだ先の見えない状況が続く。人類の歴史は感染症との闘いの歴史でもあるという。しかし、日本のコロナによる死者は今のところわずか千人台に対し、交通事故により死者は2019年は3215人、事故件数も38万件も発生していて毎年3千人以上が亡くなっている。コロナは3密回避、手洗い、マスク着用を心がけてクラスタ―が発生しているようなところには行かないことだ。それより毎日のように運転する車による交通事故に注意する方が私にとって身近な問題だと感じる。また、インフルエンザによる死者は2019年は3412人だった。コロナとインフルエンザが同時流行する今年の冬の政府の対応が注目される。

歴代在職日数最長となった安倍総理だって何時かは終わりがある、と思っていた矢先の突然の辞任表明には驚いた。東京オリンピック・パラリンピックを成功させて有終の美を飾るはずだった2020年に降って湧いたコロナ騒動に翻弄され、8年前と同じ健康問題で辞任を決意した安倍総理の今の胸中は如何にである。モリカケ・サクラの政治不信だけが残り、レガシーのないままの不運な幕引きとなってしまった。

人間病気にだけは勝てない。健康だけが取り柄の私だって身体のことは細かく言えばいろいろある。何と言ったって光輝高齢者、いや後期高齢者なのだから。ただ命に直結する心配事が今のところないのは救いだが。(2020.8.30)

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