アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.12

「もとのもくあみ」

ドクダミ

豪雨をもたらし長かった梅雨がやっと東海地方も8月1日に明けた。ステイホームの時にせっせと草取りをして、我ながら綺麗になったと思った庭は、1か月も続いた長雨でほったらかしていたら、見事に再び一面に雑草が伸びて、“もとのもくあみ”状態になってしまった。

「雑草」という植物学的な分類があるわけではない。雑草とは、「望まれないところに生える植物」と定義され、あくまで人の主観で決められる。たとえば、「ニンジン畑に生えてきたジャガイモは雑草なのか?」。ニンジンを栽培する立場の人からすればジャガイモは邪魔ものだから雑草である。しかし、「ニンジンと一緒にジャガイモも収穫できてラッキー!」と考える人には雑草も作物になる。作物か雑草かは人間の考え方次第なのだ。

さて、我が家の庭のきれいな花を植えようと計画していた場所に生えたドクダミは、白い花は清楚で美しいが、望まない場所に生えた植物なので雑草である。ドクダミ茶にしたり薬用効果があるのは知っているが、活用できない人間にとっては雑草でしかない。土を20pほど掘って根も地下茎も徹底的に取り除いたはずなのに、また一面に芽を出している。ネットで調べたら、「ドクダミの根っこは40pの深さにあり、土を耕すと細かくなった地下茎で益々増えていく」、と書いてあった。ステイホーム中の私の努力は全く無駄だったか。

苦土石灰を使って土をアルカリ性にする、熱湯を使う、重曹を使うなど、いろいろな駆除方法が書いてあるが、いづれも根気との勝負で雑草の繁殖力に対して勝ち目がないのは明らかだ。除草剤は余り使いたくないので、ドクダミに限らず雑草の根絶は所詮無理と諦めた。これからも一生雑草とは“いたちごっこ”、新型コロナウイルスと同じ「With雑草」を宣言するしかないと悟りました。また今日からコツコツと草取りに精を出すとしますか。(2020.8.1)

「令和つれづれ草」トップ