アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.7

「ハンゲショウ」

ハンゲショウ

緊急事態宣言が解除されて日常生活が少しづつ戻って来た。とはいえ、人の集まるところでは、相変わらずマスク着用、いたるところ受付やレジの前には飛沫防止の透明カバーと、1メートル以上の間隔を空けるテープが貼られている。この新しいコロナ生活スタイルがいつまで続くのだろうか。

毎日佐鳴湖ばかりを歩くのも飽きたので、朝から時折小雨がパラつく天気だったが、久しぶりに小国神社の裏の境内を散策しようと出かけてみた。小国神社はもう40年以上我が家の初もうでに行く馴染みの神社だ。こんな天気にもかかわらず駐車場はほぼ満車状態だった。ちょうど森町は名物のかんかん娘(トウモロコシ)の最盛期で、あちこちの売り場に人がずらりと並んでいた。季節の味は一度は味わうべきと、ことまち横丁でも売っていたので並ばずに買ってきた。

さて、昼食をどこかでと考えたが、今朝の新聞に磐田市壱貫地の「花咲之庄」のハンゲショウ(半夏生)が見頃との記事が載っていたのを思い出して、ちょうど帰り道なので久しぶりに寄ってみた。まだ11時過ぎの早い時間だったが、新聞に載っていたからか、すでに駐車場はいっぱいで、席が空くのを少し待った。案内された席は、ちょうどハンゲショウが咲いている真ん前の窓際の席だった。涼し気なハンゲショウを目の前に美味しいお蕎麦をいただいた。

「花咲之庄」のご主人は昭和15年生まれの元本田技研の技術屋で私の音楽仲間の高校時代の同級生とのことで、「定年後に蕎麦屋を始めました」、と以前名刺交換をしたことがある。元庄屋で造り酒屋の母屋や蔵などは国の有形文化財に登録されている。何回かお邪魔したことがあるが、この日はほんとに久しぶりだった。お蕎麦をいただいているうちに空が明るくなって青空が見えてきた。(2020.6.14)

「令和つれづれ草」トップ