過渡期に来たパソコン教室

2005年4月に開講した「シニア向けパソコン教室」は、あっという間に15年目になった。自分の病気や家族の事情で退会する生徒はあっても、「余り面白くない」あるいは「十分勉強したから」という理由で退会する生徒は今までほとんどいない。私が独りで教えられる人数には限度があるので、今は新しい生徒を積極的に募集することはしていないが、事情で退会した人の代わりが自然に補充されて、毎年30人前後が受講してくれている。しかし、今年は今のところ新会員が初めてゼロになった。さすがに、パソコンを全く知らないシニアはほとんどいなくなったか、あるいは今更「パソコンを知らない」と言うのが恥ずかしい時代になったのか。

今いる生徒さんは10年前後お付き合いしてくれている方ばかり。日常生活ではゲームをやったりネットは見ても、パソコンで書類を作る必要性はほとんどない年代になっている。余り必要性はないが、せっかく今まで勉強したことを忘れないよう、IT時代に乗り遅れないよう、あるいはボケ防止に飽きることなく復習を続けてくれている。みんな何年も一緒の顔なじみばかり。2時間の授業では、はじめ健康談義や世間話に花が咲きサロン化している。それはそれで十分有意義な時間である。「一応パソコン教室だから少しパソコンの勉強をしましょう」と残りの時間をパソコン教室本来の時間で締める。

世の中は急速にパソコンよりもスマホ時代に突入している。スマホの活用は日々進化して、その進化の速さについていくのは至難の業だ。生徒さんに携帯電話のガラ系とスマホの所有比率を聞いたら、まだ3割程度だが、スマホの勉強をしたいとの意見が多い。2019年度から授業の一部をスマホ講座にすることにした。私もスマホは使いこなしていないので一緒に勉強することにした。そんなことでシニアのパソコン教室も一つの過渡期に来ていると感じる今日この頃である。(2019・4・20)