アンドレの「デジカメで気ままにエッセイ」No.46

“今年の紅葉もまずまずでした”

(愛知県稲武町大平公園の紅葉・・・・2003・11・2)

欧州の樹木は枝全体が一律に黄色や赤に染まりやすいが、「日本の 紅葉は一枝一葉ごとに、それぞれその隣と調和しながら独自の色調 を呈して、茂み全体が見事に溶け合った色彩交響曲を作り出してい る。」と、スペインの哲学者コラールが日本の紅葉の素晴しさに驚 嘆しています。

確かに日本の木々の紅葉は単彩ではない。茜色、朱色、えんじ色、 紫紺色、金茶色、ひまわり色・・・・・・。様々な色の葉が華やぎ ながら、山肌に錦の刺繍を織っている。

日本の秋は矢張り紅葉である。紅葉を見ないで日本の秋を終る訳に はいけない。しかし、今年はなかなか時間が取れなくて、ゆっくり 野の花や紅葉の取材が出来ずじまいである。そう言えば夜立ち一泊 の気ままな一人旅も今年はもう出来そうにない。もう11月も半ば を過ぎると山の夜明けは可なり冷えて、車中での仮眠など、還暦を 過ぎた身体には随分堪えるから、今年はもう諦めるしかないか。残 念!!

それでも一度も今年の紅葉を見なかった訳でありません。11月2 日にお客の接待で馬籠にドライブに行った時に奥三河から南信州の 紅葉を見てきました。途中稲武町の大平公園で一休みした時に撮っ た紅葉の風景が上の写真です。丁度この日、地元の住民による公園 祭りが行われていて、岩魚の塩焼きを食べながら一休みしました。 今年の夏の異常な冷夏の影響が心配でしたが、まずまずの紅葉で安 心しました。しかし、この公園は残念ながら3年ほど前の7月の東 海地方を襲った集中豪雨で公園の4分の1の斜面が流されてしまいま した。

ここは257号線沿いの稲武町の交差点の少し手前、一際鮮やかな 紅葉が目に入るので直ぐに分かります。毎年11月3日の文化の日 前後がここの紅葉の一番美しい時期です。この公園の前は毎年花や 紅葉の取材に何回も訪れる、私にとっては通勤道路のようなところ です。自宅から丁度2時間。愛知県、岐阜県、長野県3県の県境に 近く、この先稲武町の信号を右に折れて153号線を北へ1時間ほ ど走ると飯田町。このあたりまで片道3時間が私の日帰り撮影旅行 のフィールド圏内です。

来年はきっと奥三河や南信州の紅葉をたっぷりと堪能できる事を楽 しみにして筆を、いや、マウスを置く事にします。(2003・11・15)

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