最近図書館で出会った本の中に野崎耕二さんの「一日一絵」という 絵画集がありました。昭和12年、鹿児島県加世市生まれの野崎耕二 さんは、工業高校を卒業後、会社勤務を経て独立、デザインの仕事 を始める。風景画で千葉県展に入賞、特選を受賞。46歳の時に難病 の肢帯型筋ジストロフィー症に罹り闘病生活に入る。不治の病と闘いながら、失意の中から立ち上がって心の支えに「一 日一絵」を描き続ける。身近な題材を、兎に角毎日毎日休まず描き 続けて4年も5年もである。その努力に感動しました。私の出合った 画集は、1988年10月出版の第二集ですが、彼が現在も健在なのかど うかは定かではありません。
私にはとてもそんな真似はできないので、せめて「一週一絵」か 「二週一絵」或いは「一月一絵」になるかもしれませんが、挑戦し て見ようかと思います。
渡辺崋山の言葉に・・・「なるべくあしく描くべし」・・・という 言葉があります。 これは、技巧が過ぎて余韻がなくなるのを嫌う事を言っています。 上手に描こうとか、褒められようとか思わずに、無心に楽しむ事が 大切です。
・・・という、初心者にとってはなんとも嬉しい言葉が絵の描き方 の本に書いてありました。何だそうだったのか、上手に描こうと思 わなくていいんだ。そうに言ってくれれば気楽なものです。所詮上 手に描くなど無理な話ですから気楽に描くことにしました。
・・・・・と言う事で、最近仕入れたお絵かき道具のペンタブレッ トでの絵の勉強に夢中になっています。しかし、気楽に描くつもり でも、つい無意識のうちに上手く描こうなどと思ってしまうもので す。上の絵は逆光の朝日に黄金色に輝くエノコログサを何とか絵で 表現しようと試みた習作です。少しは感じが出たと思っていますが 如何でしょうか。
自分なりに気に入った絵をホームページの「TOPページギャラ リー」に飾る事にしたら、私の二人の娘に「子供が描いた様な下手 な絵はトップページには飾らない方がいいよ。お父さんの絵は自己 満足なんだから」と言われてしまいました。お世辞を知らない娘達 の辛い批評にお父さんはショックです。
こんな娘の言葉にめげずに、「だから最初から下手な絵と断ってい るのだ」・・・・と開き直るか、素直に止めるべきか、お父さんは 迷っています。(2003・11・2)