アンドレの「デジカメで気ままにエッセイ」No.43

“愛犬は親善大使”

愛犬“モモ”を抱きしめて自分撮りしたベストショット!


あるエッセイストがこんなことを告白していました。 「エッセイはどうしても身近に材料を求めがちとなり、妻や子供達 など、自分の家族を登場させる事が良くある。ところが断りもなく 登場させられた家族にとっては、それは思いもかけない迷惑のよう だ。ある時には、私もそれで妻を激怒させてしまった。その時は平 謝りに謝って何とか勘弁してもらったが、再び彼女を激怒させて は、やや大げさに言えば離婚問題に発展し兼ねない。そこで家族を 登場させるという手は,もはや使えない。・・・・」

おっしゃる事は良く分かります。私も、もう半年以上もエッセイを 続けていると、どうしても身近な問題を取り上げざるを得ない。そ れもエッセイは全てが実話で、しかも、私の場合は画像で表現しな いといけないとなると、今回は家族に登場してもらわざるを得なく なりました。・・・・ということで、末娘の“モモ”を抱いての ツーショットに相成りました。

私は、ホームページのエッセイでも書いている通り、積極的な愛犬 家という訳ではありません。12年ほど前に可愛そうな捨て犬を拾っ てしまったのが縁で、犬好きの妻のお陰で飼い始めてしまいまし た。・・・・・(しまった!うっかり妻を登場させてしまった。)

2代目の“モモ”は正真正銘の血統書つきのビーグル犬です。平成7 年3月1日生、桃の節句に近かったので“モモ”と名づけました。初 代の捨て犬の日本犬“麻呂”が9年前に突然変死してしまって寂し くなってしまった妻は、ある日、ただ見るだけの約束でブリーダー を訪ねた時、赤ちゃんだった“モモ”を抱いてしまったからいけま せん。もう可愛くて手放せなくなってしまいました。しかも「色が 少し薄いから半値以下でいいですよ」と言われてしまったからもう だめです。その日のうちに我が家の三女になってしまいました。

我が家の娘になってから1ヵ月後、“モモ”の身体に異変があるの に気付きました。どうもオシッコが漏れるのです。病院へ連れて いったところ、先生も首を傾げて「レントゲンを撮ってみますか」 と言いました。何と“モモ”は「身体障害犬」だったのです。尿管 の1本が膀胱ではなく子宮に繋がってしまった奇形でした。

ブリーダーに文句を言って返してしまう事も出来ましたが、「もう 我が家の娘になっってしまった今となっては可愛そうだよ」と言う 事で、もうあれから8年半も一緒に暮らしています。積極的な愛犬 家ではなかった私も、身体に障害を負ったかわいそうな娘、しかも 皮膚がとても弱くて、1年中皮膚病の薬が欠かせません。保険が効 かないので医療費も結構掛かります。そんな娘にすっかり情が移っ てしまって、しかも“気だては”とても良くて、ほんとの娘よりも 言う事を聞いてくれるので可愛くなってしまいました。

“モモ”と散歩していて、ある効果に気がつきました。中型犬の散 歩は余り自分の運動にはなりませんが、全然知らない人とも犬を通 じて知り合いになってしまうことです。知らない人でも同じ団地の 住人ならば、すれ違えば会釈程度ぐらいはしますが、それ以上には 発展しません。しかし、お互いに愛犬を連れていると、とたんに親 しみが湧いてくるのです。

まづ犬同士が挨拶します。お互いに仲良くなったところで、どちら からともなく、「お宅のワンちゃんはおいくつですか?」「やあ! もう8歳を過ぎましたよ。お宅のは?」「うちのやつはもう、13才 ですよ。」「その割にはお元気ですね」・・・・とか何とか、いつ の間にか、初めての人とも、犬を通じて会話が弾んで、次の日から は犬の話題以外に発展したりします。犬は立派な親善大使の役目を 果たすんですね。

確かに一緒に暮らしていると可愛くなってきますが、朝晩の散歩が 大変だし、旅行に行く時なども気がかりだし、これ以上はもういい と思っているのに、妻はペットショップにいく度に「小さいチワワ も可愛いね!今度部屋で飼えるのにしようかな」・・・などと、も う次の計画をしたりしています。・・・・自分が戌年生まれだから か、旦那より犬のほうが気になって仕方がないようです。(2003・10・26)

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