アンドレの「デジカメで気ままにエッセイ」No.21

カメラ散歩“路上観察編”

先日、久し振りに「見付の宿」へカメラ散歩に行ってきました。私はカメラを持ってぶらりと歴史の街並みを歩くのが大好きです。 見付の宿も歴史の街だけあって、古いお蔵が残っていたり、大通りから一歩中に入ると細い道がくねくねと続いていてなかなか風情があります。

カメラ散歩「見付の宿」は後日ホームページで紹介いたします。今日は見付の宿の路上観察で見つけた面白い風景を紹介しましょう。

上の写真を良く見ていただきたい。路上を塞ぐように取り付けたサッシの扉に赤い金物で出来た鳥居の形をした物が紐で縛りつけてあります。 何かのおまじないでしょうか。この家のご主人が相当信心深いとか。

どうやら、サッシの向こうは三角形の空き地で奥は家の入口に通じているようでもありません。しかも扉には南京錠が掛かっているところを見ると常に出入りしていないようです。

ここで、以前「赤瀬川源平」さんのエッセイでこのような写真を見たことを思い出しました。 多分このマークは「立小便禁止」のマークです。日本人なら誰でも鳥居の前で小便をすればバチが当たると思いますよね。以前このサッシが無い時には、丁度この空き地が道路から隠れていて、格好の「立小便コーナー」になっていたんでしょうね。 業を煮やしたこの家のご主人がサッシで塞いで入れないようにして、更におまじないの鳥居を縛りつけたのでしょう。別にこの家のご主人に聞いた訳ではないので知りませんよ、本当のことは。でも多分私の推理は当たっていると思います。

「赤瀬川源平」さんは第84回芥川賞受賞作家で、美術家、「老人力」という本を出して有名になりました。中古カメラが大好きで、仲間と「路上観察学会」を結成して、各地へ路上観察旅行に出かけます。私は彼のエッセイが大好きで殆ど読んでいます。 私の写真入エッセイは赤瀬川さんに大分影響されています。(因みに天竜市の秋野不矩美術館の入り口の木の椅子は美術家としての赤瀬川さんの手作り作品です。)(2003・5・23)

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