アンドレの「デジカメで気ままにエッセイ」No.6

“少子高齢化と核家族化”

写真はある休日の浜松城公園で見かけた光景です。(プライバシー保護の為、画像を加工してあります)

休日に、年老いた父親を車椅子に乗せて公園に散歩に来た青年の優しさに心を引かれて、思わずカメラを向けてしまいました。別に親子で会話をするでもなく、時折やってくるハトに餌をやりながら小一時間ほどのんびり過ごして、やがて息子さんに再び車椅子を押してもらって帰っていきました。

妻に先立たれたこの父親にとって、休日にこうして息子さんに車椅子で公園につれてきてもらうのが、今は一番幸せを感じる時ではないでしょうか。息子さんも折角の休日は自分の好きな事をして過ごしたいでしょうに。

少子高齢化が益々進んで65歳以上は国民の5・4人に1人だと言う。15歳未満の子供1人に対して、1・3人、そして65歳以上の夫婦だけで暮らす世帯も10年前の2・1倍、単身で暮らす世帯はやはり1・9倍、・・・・・と昨年の敬老の日に総務省が発表しています。昨年還暦を迎えた私にとっても、最早この問題は他人事ではなくなりました。

21世紀は正に超高齢化社会の始まりです。人生50年の時代には、定年引退後は余生として「老いては子に従い」で子供に老後(嫌な言葉です)を看て貰いました。しかし現代は子供は1人か2人、夫婦で両方の両親4人を看るのは物理的に無理があります。子供達にしても、ますます生活が大変な時代です。自分の家族を守るのが精一杯な上に、年金問題など自分の老後の方が不安でいっぱいですからね。

振り返って我が身を見れば、3人の子供は高校を卒業すると、みんな東京、名古屋の大学へ入学し、そのまま東京で就職してしまいましたから、9年前から夫婦2人だけの生活です。確かにこの不景気な時代に自分の希望する職種の会社を地元浜松で探すのは無理な事です。

これからは、老後(他に適当な言葉が見つかりません)は、最早子供に頼る生き方は捨てなくてはいけません。高齢者は可能な限り長く元気で自立できる手段を身につけるべきです。(現実には年齢的に限界がありましから、いつまでも元気でと言う訳にはいけませんが)

私は、21世紀は高齢者対策が最重要課題と認識し、この問題をライフワークと決めました。還暦の年を機会に「高齢者の為の心のケア」を目指して「音楽療法」の勉強と実践活動を始めました。そして、シニアの皆さんの生きがい作りを目指して、パソコンとインターネットを活用した交流の輪を拡げることを目指しています。

健康とは「肉体的な健康」ばかりが健康ではありません。「心の健康」も忘れないでください。その為には出来るだけ多くの他人との交流を積極的に行うべきです。この写真の父親のように、いずれはどちらかが一人ぼっちになるのですから。(2003・2・7)

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